WordPress 6.2 で気になる新機能・ブロックエディタ周りのアレコレ


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2023年3月28日にリリース予定 WordPress 6.2 の一部をご紹介

たくさんある新機能の追加、強化、修正などの中から気になる機能をピックアップしてご紹介します。また、この記事を読むことで、WordPress のリリースに関する基本的なことや、ここ最近のテーマに関する情報も知ることができます。

※この記事は、WordPress 6.2リリース候補版 3 を元に書いています。

目次

WordPress のリリースについて

最初に、WordPress のリリースについて基本的なことをまとめてみました。すでに知っている方は読み飛ばしてください。

メジャーリリースとマイナーリリース

WordPressには、メジャーリリースとマイナーリリースの2つあります。バージョン番号で区別できます。

  • メジャーリリース:6.0、5.9、5.8のように小数点がひとつ。新機能の追加や変更を含む大きなリリース。
  • マイナーリリース:6.0.3、6.0.2、6.0.1のように小数点が2つ。バグやセキュリティを修正するためのリリース。

なお、1つ目の数字に特に重みはなく、5.9から6.0のように5から6に上がっても、特別に大きいアップデートが行われるわけではありません。

執筆時点では以下がそれぞれの最新です。

  • メジャーリリース:WordPress 6.1(2022年11月2日)
  • マイナーリリース:WordPress 6.1.1(2022年11月15日)

次に予定されているメジャーリリースが、WordPress 6.2です。2023年3月28日にリリース予定となっています。

バージョン番号やリリースについては、WordPress.org の日本語による公式ローカルサイトも参考にしてください。

また、これまでのリリース一覧は、以下にて確認できます。

なお、メジャーリリースには、ジャズミュージシャンの名前がつけられています。

WordPress のリリース情報

WordPressのリリース情報は、日本語ローカルサイトの「ニュース」で入手できます。

https://ja.wordpress.org/news/

記事のカテゴリー「Releases」を参考にするとよいでしょう。

https://ja.wordpress.org/category/releases/

リリースサイクル

正式版リリースまでは、以下の流れで行われているようです。

  • フェーズ1: 計画とチームのリード役の確保
  • フェーズ2: 開発作業開始
  • フェーズ3: ベータ版公開
  • フェーズ4: リリース候補版公開
  • フェーズ5: 正式版リリース

現在、WordPress 6.2リリース候補版 3(WordPress 6.2 RC3)が公開されています。

ベータ版やリリース候補版を試す方法

いくつか方法がありますが、プラグイン WordPress Beta Tester を利用すれば簡単です。WordPressの管理画面からインストールできます。

本番環境ではなく、必ずテスト環境でお試しください。テスト環境の構築には「Local」が使いやすくてオススメです。

最近のテーマに関する予備知識

次に、最近のテーマに関する予備知識を簡単にまとめました。こちらもすでに知っている方は読み飛ばしてください。

フルサイト編集

Full Site Editing、略すとFSE。WordPress 5.9 から実装された機能です。フルサイト編集に対応したテーマであれば、外観 > エディターから編集できます(WordPress6.1.1時点ではベータ)。ヘッダーやフッターなど今までカスタマイズが難しかったエリアも、ブロックで簡単・柔軟に構築できます。

ヘッダーの編集

補足

WordPress6.2へアップデートしても、ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 では、フルサイト編集に関連する機能は有効化されないようになっています。

ブロックテーマ

フルサイト編集に対応したテーマのことをブロックテーマと呼びます。WordPress 6.1で導入されたデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Three」や、ベクトル製であれば「X-T9」がブロックテーマです。

クラシックテーマ

従来からあるテーマのことをクラシックテーマと呼びます。ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 はクラシックテーマとなります。

theme.json

ファイル名「theme.json」。テーマフォルダ直下にあり、テーマを構成するファイルのひとつです。theme.jsonはブロックテーマで使われています。テーマで使用する主にブロックエディタの設定やスタイルなどをJSON形式で記述したものです。クラシックテーマでも、WordPress5.8以降でtheme.jsonに対応していれば、機能を利用できます。

WordPress公式ハンドブック:グローバル設定とスタイル (theme.json)

Lightningはバージョン15.0.0 よりtheme.json に対応しています。

WordPress 6.2の気になる新機能

それでは本題です。WordPress 6.2リリース候補版 3を元に、気になった機能などをピックアップしてご紹介します。

集中執筆モードが追加された

集中執筆モードにすると、サイドバーやツールバーが閉じるので、執筆しやすくなります。

マウスカーソルを上部に持っていくと、ツールバーが現れます。

集中執筆モードの状態

ブロックパターンのUIが改善された

まず、カテゴリが表示し、カテゴリを選ぶと、大きなプレビューが表示されるようになりました。使いたいパターンを見つけやすくなりました。また、選べるパターンも増えています。

インサーターエリアにメディアのタブが追加された

メディアのタブから、アップロードしている画像の一覧が表示するので、画像をより探しやすくなりました。

また、Openverseの画像もここから検索して利用できるようになりました。

Openverseとは

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの画像検索エンジンである「CC Search」が、2021年にWordPress のプロジェクトに参加し、Openverse(オープンバース)となりました。Openverse では、6億以上の無料で利用できるオープンライセンスの画像と音声ファイルが提供されています。

設定サイドバーの「設定オプション」と「スタイル」がタブで分割された

「設定オプション」と「スタイル」のタブで分割されて表示されるようになりました。

所要時間と文書の概要が「リスト表示」の中へ

「リスト表示」の隣にあった「詳細」が「リスト表示」の中に統合されて、「アウトライン」としてまとめられました。

WordPress6.2
WordPress6.1

スタイルのコピーができるようになった

「スタイルのコピー」ができるようになり、同じスタイルのブロックを作成しやすくなりました。

余白がより分かりやすくなった

余白を示すブルーの部分が長く表示されるようになりました。またその際に、ツールバーが隠れるようになって、より見やすくなりました。

グループブロックにプレースホルダーが追加された

グループブロックを挿入した際に、レイアウトを選択できるようになりました。

カバーブロック 焦点ピッカーのサイズとデザインが変わった

焦点ピッカーが大きくなったので見やすくなりました。

段落から見出しへのショートカットキーが設定された

キーボードショートカットキーが設定されて、段落ブロックを見出しに簡単に変換できるようになりました。

段落 → 見出し

  • Windows:Shift + Alt + 1-6(見出しタグの数字)
  • Mac:control + option + 1-6

見出し → 段落

  • Windows:Shift + Alt + 0
  • Mac:control + option + 0

ブロックツールバーに画像のキャプション追加・削除ができた

これまでは、画像ブロックを挿入すると、画像の下部に「キャプションを追加」が初期表示されていました。WordPress6.2からは、ツールバーに「キャプションを追加」があり、そこをクリックして初めて入力箇所が表示されるようです。

「キャプションを追加」後は「キャプションを削除」に変わります。削除したいときは便利かもしれません。

WordPress6.2
WordPress6.1

ナビゲーションブロックが使いやすくなった

ナビゲーションブロックは、ページの好きなところにナビゲーションメニューを配置できるブロックです。

WordPress 6.1ではブロックのツールバーからリンクやラベルを設定していましたが、WordPress 6.2からはブロック設定サイドバーから簡単にメニューの作成と管理ができるようになりました。

ブロックテーマ向け

ササキ

ここからは、デフォルトテーマ「Twenty Twenty-Three」やベクトル製テーマ「X-T9」向けの内容です

サイトエディターの「ベータ」ラベルがなくなった

WordPress 5.8以降、ブロックテーマであれば、外観 > エディター からの編集が可能ですが、これまでは「エディター」にベータのラベルが付いていました。このラベルがとうとうなくなりました。

サイトエディターのUIが変わった

外観 > エディター から入ったときの画面が変わりました。

最初にテンプレートとテンプレートパーツのプレビューが表示されるため、編集を開始する場所を正確に選択できます。

ヘッダーとフッターに色がついて区別しやすくなった

ヘッダーとフッターは紫色で表示されるので、他と区別しやすくなりました。再利用ブロックも同じ色で表示されます。

サイトエディター上で「追加CSS」が使えるようになった

サイト全体、またはブロックへCSSを追加できるようになりました。

以上、一部ですが、気になった機能をピックアップしてご紹介しました!

WordPress6.2の新機能を一緒に見てみませんか?

2023年3月23日(木) 20時〜オンライン開催のVWS勉強会では、この記事で紹介したブロックエディタ周りの新機能を実際の画面を見ながら触っていきますので、「どんな感じかな」と気になる方はぜひご参加ください。また、開発リーダー石川もWordPress6.2についてお話しする予定です。ご参加は無料です。

この記事を書いた人

ササキ カオリ
ササキ カオリ
株式会社ベクトルでリモートワークしながら某レンタルサーバー会社にも時々勤務しているパラレルワーカーです。WordCamp Osaka 2019登壇しました。フジロックが好き。
フルサイト編集に対応したブロックテーマ X-T9

フルサイト編集対応ブロックテーマ

WordPress テーマ X-T9 は、WordPress 5.9 から実装されたフルサイト編集機能に対応した「ブロックテーマ」と呼ばれる新しい形式のテーマです。
ヘッダーやフッターなど、今までのテーマではカスタマイズが難しかったエリアもノーコードで簡単・柔軟にカスタマイズする事ができます。

パターンを使って

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パターンとは、WordPressのブロックを組み合わせて作ったデザインテンプレートのようなもの。プロのデザイナーが制作したパターンを300以上公開中!コピペしながら高品質なサイトを簡単に作れます。


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このデモサイトは Vektor,Inc. のテーマとプラグインで構築されています。ご購入や詳細情報は下記のリンクもご参考ください。