WordPress 6.5 で気になる新機能・ブロックエディター周りのアレコレ


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2024年3月26日にリリース予定 WordPress 6.5 の一部をご紹介

たくさんある新機能の追加、強化、修正などの中から気になる機能をピックアップしてご紹介します。また、この記事を読むことで、WordPress のリリースに関する基本的なことや、最近のテーマに関する情報も知ることができます。

※この記事は、WordPress 6.5 リリース候補版 2(RC2) を元に書いています。

WordPress のリリースについて

最初に、WordPress のリリースについて基本的なことをまとめてみました。すでに知っている方は読み飛ばしてください。

メジャーリリースとマイナーリリース

WordPressには、メジャーリリースとマイナーリリースの2つあります。バージョン番号で区別できます。

  • メジャーリリース:6.0、5.9、5.8のように小数点がひとつ。新機能の追加や変更を含む大きなリリース。
  • マイナーリリース:6.0.3、6.0.2、6.0.1のように小数点が2つ。バグやセキュリティを修正するためのリリース。

なお、1つ目の数字に特に重みはなく、5.9から6.0のように5から6に上がっても、特別に大きいアップデートが行われるわけではありません。

執筆時点では以下がそれぞれの最新です。

  • メジャーリリース:WordPress 6.4(2023年11月7日)
  • マイナーリリース:WordPress 6.4.3(2024年2月3日)

次に予定されているメジャーリリースが、WordPress 6.5です。2024年3月26日にリリース予定となっています。

バージョン番号やリリースについては、WordPress.org の日本語による公式ローカルサイトも参考にしてください。

また、これまでのリリース一覧は、以下より確認できます。

なお、メジャーリリースには、ジャズミュージシャンの名前がつけられています。

WordPress のリリース情報

WordPressのリリース情報は、日本語ローカルサイトの「ニュース」で入手できます。

https://ja.wordpress.org/news/

記事のカテゴリー「Releases」を参考にするとよいでしょう。

https://ja.wordpress.org/category/releases/

リリースサイクル

正式版リリースまでは、以下の流れで行われているようです。

  • フェーズ1: 計画とチームのリード役の確保
  • フェーズ2: 開発作業開始
  • フェーズ3: ベータ版公開
  • フェーズ4: リリース候補版公開
  • フェーズ5: 正式版リリース

現在、WordPress 6.5 リリース候補版 2が公開されています。

ベータ版やリリース候補版を試す方法

いくつか方法がありますが、プラグイン WordPress Beta Tester を利用すれば簡単です。WordPressの管理画面からインストールできます。

本番環境ではなく、必ずテスト環境でお試しください。テスト環境の構築には「Local」が使いやすくてオススメです。

最近のテーマに関する予備知識

次に、最近のテーマに関する予備知識を簡単にまとめました。こちらもすでに知っている方は読み飛ばしてください。

フルサイト編集(サイトエディター)

Full Site Editing、略すとFSE。WordPress 5.9 から実装された機能です。フルサイト編集に対応したテーマであれば、外観 > エディターから編集できます。ヘッダーやフッターなど今までカスタマイズが難しかったエリアも、ブロックで簡単・柔軟に構築できます。

サイトエディター
ヘッダーの編集

補足

WordPress6.5へアップデートしても、ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 では、フルサイト編集に関連する機能は有効化されないようになっています。

ブロックテーマ

フルサイト編集に対応したテーマのことをブロックテーマと呼びます。WordPress 6.4で導入されたデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Four」や、ベクトル製であれば「X-T9」がブロックテーマです。

クラシックテーマ

従来からあるテーマのことをクラシックテーマと呼びます。ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 はクラシックテーマとなります。

theme.json

ファイル名「theme.json」。テーマフォルダ直下にあり、テーマを構成するファイルのひとつです。theme.jsonはブロックテーマで使われています。テーマで使用する主にブロックエディタの設定やスタイルなどをJSON形式で記述したものです。クラシックテーマでも、WordPress5.8以降でtheme.jsonに対応していれば、機能を利用できます。

WordPress公式ハンドブック:グローバル設定とスタイル (theme.json)

Lightningはバージョン15.0.0 よりtheme.json に対応しています。

WordPress 6.5の気になる新機能

それでは本題です。WordPress 6.5 リリース候補版 2(WordPress 6.5 RC2) を元に、気になった機能などをピックアップしてご紹介します。

管理画面での変更点

一般設定でサイトアイコンが設定できるように

ダッシュボードの 設定 > 一般 からサイトアイコンを設定できるようになります。

[クラシックテーマ] 外観に「Patterns」が追加

Lightningなどのクラシックテーマでは、ダッシュボードの「外観」に「Patterns」が追加されます。ここからパターン一覧にアクセスできるようになります。

とはいえ、ExUnitには管理画面のメニューに「すべての再利用ブロックを管理」を追加できる機能があります。ExUnitの機能を利用している人は、どちらからでもパターン一覧にアクセスできることに…

2024年3月27日追記

ExUnit 9.97.0 で再利用ブロック管理メニューの追加機能は非推奨になりましたので、ご留意ください。
https://www.vektor-inc.co.jp/product-update/exunit-9-97-0-menu-deprecated/

ブロックエディターの変更点

ササキ

「X-T9」や「Lightning」でも使える機能に注目しました!

ほとんどのブロックで名前の変更ができる

WordPress6.4 では、グループブロックには名前をつけられるようになりました。WordPress6.5 では、ほとんどのブロックで、リストビューやブロックツールバーから「名前の変更」ができるようになります。

リストビューで見たときに分かりやすくなっていいですね。

リストビューのオプションメニューが右クリックで表示

リストビューで「︙」をクリックすると表示されるメニューが、ブロック上(「︙」じゃない場所で)で右クリックしても同様に表示されます。すごい!これは便利ですね。

WordPress 6.5 RC2
WordPress 6.4.3

ブロックの左右にドラッグアンドドロップすると横並びに

ドラッグアンドドロップでブロックを左右に移動すると、横並びブロックに自動変換されます。上下の移動はこれまでもできましたが、どんどん便利になりますね。

同じように、画像ブロックの横に画像ブロックをドラッグアンドドロップすると、ギャラリーになります。

リスト項目にパディング・マージンの指定が可能に

リスト項目のサイズオプションに、パディングとマージンが追加されています。リスト項目の間隔を簡単に調整できるようになって嬉しいです!

カバーブロックにアスペクト比が追加

WordPress6.4で追加された画像ブロックのアスペクト比の設定が、カバーブロックにも追加されます。

ササキ

こちらの設定は「X-T9」や「Lightning」でも使えるようにする予定です

カラム / 画像ブロックにドロップシャドウが使える

画像ブロックにドロップシャドウを指定できるようになります。

カラムにも!表現の幅が広がりそうですね。

グループブロックの背景画像に焦点ピッカーやサイズが追加

WordPress6.4では、グループブロックに背景画像を設定できるようになりましたが、さらにWordPress6.5 では、背景画像に焦点ピッカーやサイズが追加されています。背景オプション「︙」から「サイズ」を選べば表示されます。

ボタンブロックのリンクに nofollow の指定ができる

ボタンブロックでリンクを設定する際に、nofollowを指定できるようになります。

nofollow は以下のときに指定します。

  • そのリンクとサイトを関連付けたくない
  • リンク先をクロールしないよう検索エンジンに提示したい

(参考)Google 検索セントラル Google に外部リンクの関係性を伝える

引用ブロックでブロックの間隔が指定できる

引用ブロックで内側のブロックの間隔を指定できるようになります。

サイトエディター

ササキ

ここからは「X-T9」などのブロックテーマ向けの内容です

データビュー

パターンのUIが変わりました。

WordPress 6.5 RC2
WordPress 6.4.3

オプション「︙」からパターンカテゴリの名前の変更や削除が可能になります。

フォントライブラリ

「スタイル」のタイポグラフィーに「フォントの管理」が追加されています。テーマが持っているフォントの一覧、ローカルからのフォントファイルのアップロード、Googleフォントのインストールが可能になります。

「サイトを表示」が常に表示

細かいところですが、サイトエディターの画面上部に「サイトを表示(新しいタブで開く)」が常に表示されるようになっています。これまではマウスカーソルを近づけないと表示しなかったので、分かりやすくなっています。

WordPress 6.5 RC2
WordPress 6.4.3

以上、一部ですが、気になった機能をピックアップしてご紹介しました!

参考資料

この記事を書いた人

ササキ カオリ
ササキ カオリ
株式会社ベクトルでリモートワークしながら某レンタルサーバー会社にも時々勤務しているパラレルワーカーです。WordCamp Osaka 2019登壇しました。フジロックが好き。
フルサイト編集に対応したブロックテーマ X-T9

フルサイト編集対応ブロックテーマ

WordPress テーマ X-T9 は、WordPress 5.9 から実装されたフルサイト編集機能に対応した「ブロックテーマ」と呼ばれる新しい形式のテーマです。
ヘッダーやフッターなど、今までのテーマではカスタマイズが難しかったエリアもノーコードで簡単・柔軟にカスタマイズする事ができます。

パターンを使って

よりクオリティの高いサイトに

パターンとは、WordPressのブロックを組み合わせて作ったデザインテンプレートのようなもの。プロのデザイナーが制作したパターンを300以上公開中!コピペしながら高品質なサイトを簡単に作れます。


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このデモサイトは Vektor,Inc. のテーマとプラグインで構築されています。ご購入や詳細情報は下記のリンクもご参考ください。